白は花嫁の色
「んーーまあ、柔らかい顔?」
「全っ然具体的じゃない!市井って分かんない!」
今度は目を吊り上げて、怒ってますとばかりに声を張る。
…まずこんな百面相女に分かって欲しいなんて、こっちが思っていない。
無駄な会話はゴミだ、捨てるしかないゴミ。リサイクルもできないたちの悪いゴミ。
早く帰りたくて、「てか堀、家どこ、方面教えて」と、会話の流れを無視して聞いた。
夕闇に溶けてく輪郭は黒く縁取られていく。色を奪う時間に変わる――
「え、映画みたとき言ったじゃん!一緒だねって!」
「……あー」
興味がないって恐ろしい。何も覚えてない、堀と話した中身なんて何も記憶がない…。
逆に姉ちゃんとの会話なんて自然と頭に流れるのに。
ああ、また無意識に頭の中に姉ちゃんが居る。
姉ちゃんの居場所は、俺の頭の中なのだろうか。――なんて、ロマンチックな気持ちになるのだから。