不器用なカノジョ。
血も滴るいい男
きっと俺、かなり運がいい。
と、いうかこれって…運命ってやつなんじゃね?
あまりの喜びにスキップして鼻歌を歌いたくなった。
でもそれは我慢。
さすがに高1にもなるのに
街中でそんなことやる勇気ねぇーって。
そもそもそんなことやるのって
酔っ払いか変質者しかいなくね?
俺は真新しいスクールバックを背負い、小走りで目的の背中に近づく。
「………ひーろっ!」
懐かしい後ろ姿に声をかけた。
すると背中がビクッと反応する。
でも振り返る様子も
立ち止まる様子もなくそのまま歩き続けるひろ。
え?
俺、無視されてる?
若干のショックを受けるが
俺、こんなことじゃ屈しないタチなんだよね。
ひろだってよーく知ってると思うし。
今度は肩に手を置いて言った。
「ひーろ!俺だよ!久しぶりじゃん!」
そう声をかけた瞬間、
「………うぎゃっ」
そんなおかしな声が出るような状況に陥った。