不器用なカノジョ。





「お疲れー」


「おつー」


「お疲れちゃーん」


そんなあいさつが飛び交う教室。

みんなカバンを持って帰って行く。



「じゃ、俺も帰ろーっと」


さすがに学祭の間、2日間は部活も休みだ。

なので珍しく真っ直ぐ家に帰れる。


それなのに…


「ちょっといいか、俊輔」


「はあ?なんだよ、慎太郎…」


慎太郎に呼び止められる。



「じゃあ俺ら先帰るなー」


純と健が教室を出ていく。

あー俺も帰りたい!



「そんな顔すんなや。

ちょっとだけ付き合えよ」


「…ちょっとだけだからな」


ったくなんたる不運だ。

可愛い女の子に誘われるならまだしも、こんな汗臭いような男に放課後の時間を奪われるとは。







< 146 / 235 >

この作品をシェア

pagetop