私を愛して


――――――


 「おい!家出娘!!起きろ!!」


彼はバンバンとほこりをたたせながら、布団を叩く。



わたしは上体を起こし、目をこする。


 「一日泊めたんだ!!今日は田舎に帰れ」



何よぉ・・・


昨日はあんなに優しかったじゃないぃ。



 彼はわたしに向かって服を投げつけた。


 「ふぁ・・・」



布団を持って、洗面所へと着替えをしにいく。

今何時なのよ…

まだ鳥が鳴いてるじゃなぁい。

王国ではこんなに朝早く起きなかった…ってわたし、何かと王国とライラを比べてる。

王国なら

父様なら

王国なら…

…へこんじゃうな……

 「ハイ、My,パンプ」

 「やぁ、セルダ」



!!


あの人!


あの顔!!

私に“ライラの第一印象はどうなんでしょう?”みたいな事を聞いて来た一人の記者だわ…!


どうしよ…


もうロシアフィー家には失踪が見つかってるわ!



きっと今日、探しに来るはず…。


 「見つからないようにしなきゃ…!」

こんな楽しい時間をつぶされたくなんかないわ。


わたしは裸足で走り、洗面所へと駆け込んだ



――バタン!――



っ…




服が挟まってるぅ!!

ドアを開けたらあの人が!

でも服が!


 「最悪よぉ!!!!」


 



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