師匠はコスプレ☆メイ探偵
ノブをそおっと回して、ドアを開けた。

 人を脅かすのは大好きなので、足音を消すのは得意なのだ。

ドアをそっと開けるワザも心得てる。

 すかしたドアから、そっと身を滑り込ませた。

 物音がしたので、ソファの影に身を伏せた。

 確かに誰かいる。

 そっと見ると、窓際にある机の向こう側に、いつものキザっちい白ずくめにエプロン姿のトキの姿が見えた。

 生成り地に、リアルなカエルの柄が一杯ついたエプロンが、なかなか類の好みに叶っている。

 しかし、何だ、トキだけか。

 ちょっとがっかりして、だけど後で師匠を驚かせられれば楽しみは二倍だ。

そう自分に言い聞かせた。
 
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