師匠はコスプレ☆メイ探偵
「私の足跡がまだ残っている」

えっ。

類は思わずそっちを見た。

確かに、前回師匠を乗せてから、誰も乗せていない。

というか、師匠はバイトの都合上仕方なく乗せているが、類は基本的に、助手席に他人を乗せないんである。

しかし、そのときに、足跡をつけて汚されていたなんて。

類は師匠を睨むと、我関せずな師匠から目を逸らせて、前を見た。

運転中じゃなかったら、ぶん殴りたいところだ。

大事な車を汚されていることを知って、類は凶悪モードになっていた。

「それに、あれからそんなに走行してないね。ガソリンを入れてない」

類はちらりと師匠を見た。

「どうして分かるんです?」

「私がこの間つけた手形がそのまま残っている」

類は思わず急ブレーキをかけて止まった。

信号が、赤だったんである。

「どこですか!?」


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