師匠はコスプレ☆メイ探偵
口の中身をおいしく飲み下して、廊下に面して並んだドアに向かった。
 
先ず、手前の部屋から。

さっき入った部屋だな。
 
類はノブを押すと、ドアを思い切り引き開けた。

部屋の向こうの端にいたトキの驚いた顔と目が合う。

トキは、師匠の部屋で何かを物色していたらしい。

手に持っていたものをそっと引き出しに戻すと、何食わぬ顔で、類のそばまで来た。

「やあ、お帰り。君は依頼者じゃなかったんだね」

「はい。弟子でバイトの成瀬類です」

「成瀬君か、よろしくね。よかったら僕の作ったパスタを食べていかないか?」

「はい。もういただいてます」

ニッコリして言いながら、さっきトキがいた場所を見た。
 
類がさっき座っていた辺りだ。

ということは、類の見ていたナンタラ国の資料を、彼も見つけて見ていたんじゃないだろうか。
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