師匠はコスプレ☆メイ探偵

　類が師匠を見ると、師匠も類と同じような表情をしていた。

『これでは、報酬がもらえない』その表情には、そう、はっきりと書かれてあった。

「ここまでの依頼料は払わせていただきます。ですが、これでお引取り願えますか？」

　三人とも、しばし固まっていたが、トキが一番に我を取り返して立ち上がった。

　そりゃ、トキは、警備会社の社員だ。引き取らされたって、お給料はもらえる。

　次に類が我に帰った。

　少なくなってしまったが、とりあえず師匠を家に送り届けるまでの自給はもらえるわけだ。

　ショックのあまり固まり続けている師匠を類はつまみあげた。

「いつまでも座っていたって、もう仕事なんかもらえませんよ。それより、グズグズしてたらあたしの自給が増えるだけですよ」