王子様は寮長様
「九条…?何してるんだここで。」
「私が誘ったの。どう?可愛いでしょ。」
相馬先輩は驚きを隠せないでいた。
確かに予想外だもんね。
…迷惑だったかな。
「驚いた。そんな格好しているから見違えたよ。似合ってて可愛い。」
相馬先輩はニッコリ笑っている。
顔が一気に熱くなる。
お世辞でも可愛いって言われると嬉しい。
でも、良かった…。笑ってくれた。
「慣れない格好でちょっと変な感じです。」
「いや、本当似合うよ。じゃぁ、俺と猛は挨拶回りがあるからまたね。」
相馬先輩はニコニコと手を振って去っていった。
あれ?ちょっとアッサリしてる…?
そんなことないか。
忙しいもんね。
「良かったね。椎菜ちゃん。」
奈緒先輩はバイキングのケーキを片手に満足げ。
「はい。奈緒先輩。」
私は相馬先輩の後ろ姿を見送った。