王子様は寮長様




「椎菜ちゃんが今日、一緒帰れないって。」



猛は屋上にいた蒼斗に後ろから声をかけた。

蒼斗は振り返らず、ふぅんと呟く。



「野上少年、積極的だな。椎菜ちゃん、危ないかもね。」



蒼斗は隣に来た猛を睨みつける。


猛はハァとため息をつく



「お前も危ないな。超嫉妬してんじゃん。」

「うるさい。」

「良いんじゃないの?椎菜ちゃんに気持ち伝えても。」

「お前なぁ…」



蒼斗は知ってるだろうと猛を見る。



「お前らが兄妹かなんてまだ決まったことじゃないだろう。まだ真実は聞いていない。」



確かに蒼斗も周りの大人の話から、自分なりに情報を集めて知ったことだ

“真実”はまだ聞いていない。


しかし、真実だったらと思うと恐くて何も出来なくなる。



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