王子様は寮長様
こーゆーことって!
私、今、押し倒されてるっ!?
「あのっ、えっと…」
「さっきの話…」
先輩が上から私を見つめながら、囁くように話だした。
さっきの話?
「結納とか、婚約とか」
「あぁ、はい。」
「あれさ、前向きに考えてもらえると嬉しいんだけど…。」
「えっ…」
前向きにって…。
えぇっ!?
「嫌かな?」
私はブンブンと首を振る
嫌なわけない。
嬉しすぎるっ。
鼻がツンとして、自分が泣いているのに気が付いた。
その涙に先輩がキスを落とす。
「泣き虫」と笑いながら、そっと唇を指でなぞり、深いキスをしてくる。
何度も何度も…。
先輩の唇が私を求める度に、胸が熱くなる。
暖かい気持ちで満たされていく。
その熱いキスに私は先輩の背中をギュッと掴む。
「……はぁ……ぅん!」
空気を求めて口を少し開くと、その隙間から先輩の暖かい舌が滑りこんでくる。
その激しいキスにもう何も考えられなくなっていた。