王子様は寮長様
「奈緒先輩、ありがとうございました。助かりました。」
私と莉子はペコッと頭をさげた。
「いいのよ。でもあの人たち、結構しつこいから気をつけてね。」
「はい…」
あのお姉様方が相馬蒼斗ファンの中でも、中心格というのは知っている。
嫉妬深そうだな~。
面倒くさいタイプを敵にしてしまったかもしれない。
「あの、このことは相馬先輩には……」
「うん。わかってる。言わないよ。」
奈緒先輩はニコッと笑った。
つられて私も笑う。
莉子は隣で小さく、カッコイイ…と呟いていた。