王子様は寮長様


「奈緒先輩、ありがとうございました。助かりました。」



私と莉子はペコッと頭をさげた。



「いいのよ。でもあの人たち、結構しつこいから気をつけてね。」

「はい…」



あのお姉様方が相馬蒼斗ファンの中でも、中心格というのは知っている。

嫉妬深そうだな~。

面倒くさいタイプを敵にしてしまったかもしれない。




「あの、このことは相馬先輩には……」

「うん。わかってる。言わないよ。」



奈緒先輩はニコッと笑った。

つられて私も笑う。


莉子は隣で小さく、カッコイイ…と呟いていた。





< 61 / 217 >

この作品をシェア

pagetop