王子様は寮長様



マズイよ!マズイ、マズイ~!!!!!!!!!!!!


こんなことになるなんて!どうしよう~!



「誰かー!誰かいないのー!?」



何度呼んでも、私の声は虚しく響いて反響するだけ。


あぁ、もう私って本当、馬鹿だ。



なんであの二人について来ちゃったんだろう。




完全なる罠だった。




近道だから岩場の洞窟を通って行こうと言われ、のこのことついて来てしまった。


奥の入り組んだ所まで来た途端、後ろから突き飛ばされてしまった。



「ザマァミロ。蒼斗くんにベタベタするからだっつーの。」

「出れるものならひとりで出てこい。」



と、捨て台詞を残されて。





「参ったなぁ~……」



私は呟き、右足をさする。突き飛ばされた時、見事に足をくじいてしまった。


岩場にビーチサンダルはいけなかったな……。



動けないし、薄暗いし。


水着にショートパンツ、パーカーを着ていたのはまだ良かった。



< 78 / 217 >

この作品をシェア

pagetop