王子様は寮長様
マズイよ!マズイ、マズイ~!!!!!!!!!!!!
こんなことになるなんて!どうしよう~!
「誰かー!誰かいないのー!?」
何度呼んでも、私の声は虚しく響いて反響するだけ。
あぁ、もう私って本当、馬鹿だ。
なんであの二人について来ちゃったんだろう。
完全なる罠だった。
近道だから岩場の洞窟を通って行こうと言われ、のこのことついて来てしまった。
奥の入り組んだ所まで来た途端、後ろから突き飛ばされてしまった。
「ザマァミロ。蒼斗くんにベタベタするからだっつーの。」
「出れるものならひとりで出てこい。」
と、捨て台詞を残されて。
「参ったなぁ~……」
私は呟き、右足をさする。突き飛ばされた時、見事に足をくじいてしまった。
岩場にビーチサンダルはいけなかったな……。
動けないし、薄暗いし。
水着にショートパンツ、パーカーを着ていたのはまだ良かった。