永遠
その日は知佳さんは来なかった。
たぶん、母が言ってくれたんだと思う。




リビングに向かうと、
父、母、姉。



久しぶりに全員揃った。
珍しい光景。



普段、外で食べてばかりで家族全員揃った事なんか
そんなに無かった。



最近、あたしは家で食べてるけど、
前は、あたしが居たら姉は居ない。姉が居たらあたしが居ない。
あたしも姉も母も居たら父が居ない。



そんな時がほとんどだった。



「お姉ちゃん、彼氏は?」




「今日はバイトだってさ。それより、あんたの彼氏・・超格好よくない!?」




「・・・そーでしょ!」




微笑みながらいつも座る椅子に腰を掛けた。




「香織!いつの間に彼氏なんかできたんだ!?」




「お父さん知らなかったのー!?」




それから、ほとんどが亮の話で終わった。
今日は亮にいろいろ感謝しなきゃいけないことが多かった。





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