奇妙な世界へのススメ

シュッ――・・・


ソレは真っすぐ伸びて
俺の手を掴んだ。

生暖かかった。
そして、痛いほど力強かった。

右肘から先ととれるその手は
たしかに、生きていた。

"仲良くしてください。私に会いたいと言ったのはあなたの方ですよ?

私はあなたを離しません。
なにしろ初めての大切なお友達ですからね。"

これからもよろしくお願いします、というように
どこからか転がってきた昨日の眼球が笑った。

右手は力強いままだった。
< 11 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop