私は嘘で出来ている。
ピンと糸が張り詰めた。


私はその糸の上を歩くチャレンジャーのようだった。


堕ちるか堕ちないか。


一種の賭け。


「そう…」


新菜に表情はなくて、私は宙吊りになった。


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