私は嘘で出来ている。

12

あの日以来、持て余すほどの私の想いは迷子になってしまった。


新菜の家にも、ずっと行っていない。


相変わらず新菜は学校には来ていなかった。


冷やかしのお客が来なくなっても、店にも顔を出さなかった。


最後に笑い合った日を想う。


あの頃の私達は、どこに行っちゃったんだろう。


好きだなんて、言わなければ良かった。


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