はつ恋
真理の言葉がいつまでも耳から離れない。


佳祐は私に隠してるの?橋本先生と何かあるの?


真理が、「亜子聞いてる?何食べたい?イタリアン和食?」

私はぼそっと、「真理に任せる。」


「じゃイタリアンで決まり!」


食事どころではない。だけど真理にそんな事言えるはずもなく、私は真理の後をついていった。


真理は一人ではしゃいでいる。


私と涼さんが向かい合わせで座った。


涼さんが私を見た。涼さんと目が合い私はドキッとした。


真理が、「兄貴亜子に一目惚れしたんだって。」


私は思わず、「へっ 。」
って言ってしまった。


一目惚れって、涼さんと会ったの今日初めてだしあり得ない。


「兄貴この前の文化祭に来てたんだ。その時私といた亜子見た訳。覚えてないとおもうけど。」


そう言えば真理のそばに誰かいたような気もする。


あの時私は佳祐を探してたから、はっきり覚えていない。


「亜子メイドさんの格好してたじゃん。みんなに可愛いって構われた時、兄貴もいたんだ。」


そう佳祐にその格好だけは止めろと怒られた。



< 195 / 249 >

この作品をシェア

pagetop