噂の彼の甘い罠†アイドルと秘密の同棲
「ちょっとぉ、晴弥っ!?危ないじゃない、何で教科書投げんのよぉ」

「こないだの仕返しじゃん。見てみ、まだ傷残ってんだケド」




晴弥は腕をまくり、私が写真集を投げて傷つけた腕をみんなの前で見せた。

キャーッ!小春サイテー!って騒ぎ出す友達。





まぁそれは私も悪いよ?

でもそれに至る経緯が、ちゃんとあるんだから。




晴弥にプイ顔を背け、椎名ちゃんの手を引っ張り教室を出た。

「ちょっと、小春~?

お兄さん、小春が心配でうちのクラスまで来てくれたんだよー。もうちょっと愛想良くしたらぁ?」

「だーかーらー。お兄ちゃんなんかじゃないんだってば!」

「小春…、小さい頃に汚くて臭~いドブに、頭から落ちたんだってね。そのショックで、記憶が途絶えてるって、さっきヒロが言ってたよ?」




…ドブ?

しかも汚くて臭いって、その修飾語まで必要ないんだけどっ。





「…晴弥ーっ!」

椎名ちゃんを説得するのを諦め、今度は晴弥を教室の外へ引っ張り出した。




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