溺愛結婚!?~7つの甘いレッスン~



空港に着くと、今回の出張を共に過ごす同期達と合流した。

男四人と女二人。
来年オープンさせる新しい系列ホテルへの参加に備えての研修も兼ねているせいか、密に組まれたスケジュールに戦々恐々。

「真田くんの資料持ってきたわよ。
突然昨日休むから準備大変だったんだからね」

はい。

と手渡された分厚い資料に苦笑してしまう。

「悪い。助かったよ」

鞄にしまいつつ、雪美に謝る俺に他のメンバーも首を傾げている。

「濠が突然仕事休むなんて珍しいな」

「…まあな」

「体調悪いのか?」

「いや…そうじゃない。
色々と片付けなきゃならない雑用があったから」

大した事じゃないと、軽く言う口調に違和感を感じたのか、勘のいい雪美


「もしかして…彼女と何かあった?」

探るように聞いてきた。

ふっと雪美を見ると、切なそうに俺の答えを待ちながら少し震えている手に気付く。

「まあ。俺があいつに
はまりすぎてるだけだ…。一週間も離れるなんてめったにないからな」

「そう…」

傷つけた…。
確実に雪美の心は痛んだ。

俺に想いをぶつけてくれた時にもはっきりと断ったけれど。
再び、雪美の想いを拒絶した俺。
どうしようもないとわかっていても、雪美の気持ちを楽にする言葉をかける事はできない。

「お前と彼女、付き合い長いんだろ?
いつまで高校生みたいにじゃれてんだよ」

呆れて呟く同期の尚志の声が俺と雪美の張り詰めた空気を破ってくれた。

「早く結婚しろよ。彼女だって仕事やめてお前の嫁になりたいんじゃないのか?」

「…結婚はしても、仕事はやめないな…ていうかやめられないな」

「…は?」




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