曇天



「……お前って本当に人の気配感じないよな」



「うわぁぁぁぁああ?!」



昼休み。

屋上で考え事をしていたら、いきなり目の前に現れた彼に向かって、思わず奇声を発した。

彼はそんな私の反応に、酷いなと笑って隣に腰掛ける。

私は何だか申し訳なくなって、ごめんねと謝った。

それからまた思考回路は違う方向に行くから、頭を振ってため息をついた。

刹那、彼は心配そうに尋ねる。



「何だ?考え事か?」
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