Ghost lover
別れたのも
「昨日よりまた寒さが増したような……」


身支度やら朝食を済ませ、僕は今学校へ向かっている最中だ。

学校は近いから何時も歩いて通っている。

自転車で走ればもっと早いと思う。でもそうしないのは歩く方が好きだからである。


『寒いんだ? そういえば殆ど木も枯れちゃっているね』


コートとマフラーで何とか寒さは凌いでいるとはいえ、それでも寒いものは寒い。

由乃はもう寒さも暑さも感じる事がないから、少し暢気に言っているように聞こえた。


「寒いよ。もうそんな時期なんだから」

『そっか。幸はこんな季節の変わり目に風邪引く事多いんだから気を付けてね』

「はいはい。分かっているよ」


周りから見ればこの会話は誰にも聞こえない。つまりは僕の独り言にしか聞こえていない。
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