童話少年-NOT YET KNOWN-


その翌日のこと。
辺りも暗くなり始めた午後6時過ぎ、3つの人影が、前日に4人の中学生がわけのわからない争奪戦やら爆発やらを起こした場所に、立っていた。

「昨日、ニュース見てた?」
「ずっと見てた。けど、あの怪物も爆発も、どこもやってなかった」
「マジで? あの爆発でバレなかったの?」

それが今朝から続く、彼らの会話。
もちろん彼らとは、どこかぼんやりとした遅刻魔の少年と、目付きの悪い不良男子生徒と、黙っていれば可愛らしい黒髪の美少女のことである。

「つかあの強盗、今まで盗みに入ったのって、ホテルとか、でかい家とか、郵便局とかだろ? なんで昨日はあんなとこにいたんだろう」
「そうだよな……あそこって、何作ってた工場?」
「確か……花火とか、爆竹とかじゃない」

数年前にすぐ隣の建物に移った、大きくも小さくもない花火工場。
そんな場所に盗みに入るというのも甚だ疑問だが、なにより不思議なのは、今は使われていない方の建物に入ったことだ。

そしてそんな意味深長な出来事を、彼らの好奇心が放っておけるはずもなかった。


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