童話少年-NOT YET KNOWN-

対峙対峙対峙対峙



しかし、声は出なかった。
代わりに出たのは、




「きゃあああああぁぁぁぁぁぁあ!!!」




危険信号。

「え、なに!?」
「こっちだ!」

どう考えてもただ事とは思えない絶叫が、すぐ隣の通りから聞こえたことに気付くと、状況を理解するよりも早く脚は動いていた。
そして途絶えることのない悲鳴が、判断力の手助けをする。

「いやああぁぁ!! おに、……鬼よぉぉ!!!」

顔を見合わせる。
強張った表情が4つ。
しかし、慣れない恐怖と緊張と、絶望を感じたその中、例えば瞳の辺りに、僅かな高揚が見て取れた。
もちろんそれも4人分だ。

弥桃は走りざまに、電信柱の横に立て掛けてあったへこんだ廃材を掴んで、曲がり角に飛び込んだ。




「…………こいつが…………鬼……?」


鳥肌が立つのを感じた。


< 79 / 135 >

この作品をシェア

pagetop