ももいろ
相当眠いんだろうなあ、そうだよね、疲れてるよね、毎日がんばってるもんね…

あたしは芋虫を抱えてベッドに寝かせようとしたけど、さすがに持ち上げられない。

「…!サツキさん!」

司くんがガバッと顔を上げたので、

ゴツッ

あたしたちは頭突きした状態になってしまった。

「いたーい!」

「イッテー」

司くんは涙目になりながら、大声を出した。

「なにすんの!」

「なにって…ベッドで寝たらいいじゃんと思って…」

司くんは体にタオルケットを完全に巻き付けて、さらに大声を出した。

「いいよ!もう起きるから!サツキさん、酔いは醒めたの!?」

「はい…ご迷惑おかけしました…」

あたしは小さくなった。

「よし!ごはん食べられる!?」

「…はい」

「なら、シャワーでも浴びてきなさい!俺、ごはん用意しとくから!」

「いや、いいよ、司くんはゆっくり…」

司くんは泣きそうな顔であたしを睨み付けて、

「いいから!早くシャワーに行きなさい!!!」

「は、はい」

凄い剣幕であたしを部屋から追い出した。

なんであんなに怒ってるんだろう…朝帰りしたからかな?

それにしても、泣きそうになることないのに。

そんなに頭突きが痛かったんだろうか。

司くん、まだまだ子供なのね、フッ。

バスルームへ向かおうとすると、

「サツキさん!」

あたしの部屋のドアから、司くんが顔だけ出した。

「…はい」

「あとでお説教ですからね!」

「…はぁい」

ホストに関しては口出しして欲しくないけど、司くんに迷惑かけちゃったし、おとなしく怒られとくか。




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