【短】野球ボール〜励ちゃんの春〜
3()()はぁー
その日の練習も終わって、家に帰っていたとき。


「励っ」


聞き覚えのある声がして、振り向くと……


「莉奈」


「久しぶりじゃん♪部活帰り?」


俺の隣を並んで歩く。

莉奈は俺の隣の家に住んでる、いわゆる幼なじみ。




「そーだよ」


「こんな時間まで偉いね。若いなー」


「若いって、一歳しか変わんないでしょ」


莉奈の方が一個上。

高校も別だから、会うのは随分久しぶり。


「いやいや、もう若くないよ」


「はは。で?若くないくせに、こんな時間まで何してたの?」


確か部活とかしてなかったよね?


「あー…彼氏と遊んでた」


彼氏…いるんだ。

……そりゃそうか。
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