最高の君。



「い~な~美桜は…」



親友の來羅(ララ)ちゃんの一言にあたしは眉を潜める。



「來羅ちゃん…あたしは良くない!!」

「良いじゃない。
あの澪音が実の姉で喜ばないのは美桜だけだよ…」

「だってぇ~…」



澪音姉ちゃんは現役の女子大生で、読者モデル。



モデルはバイトがてら始めて、ただのお小遣い稼ぎって言ってた。



だけど今ではテレビに取り上げられるほどの人気者…。



「はぁ~…」



澪音姉ちゃんはスタイル良くて、美人で、どこかの国のお姫様みたいで…。



だけどあたしはどこにでもいるような凡人。



全国平均と変わらない身長、体重、座高で、体重は何か気を抜けば太っちゃう。



今のあたしには澪音姉ちゃんという存在はコンプレックスで…。



「來羅ちゃ~ん。
どーしよ…」

「まぁ…うん。
美桜も良いと思うよ?」

「來羅ちゃぁぁん~!!」



モテる姉とモテない妹。



神様は何故こんなにも不公平なんだ!!



あたしの両親はまぁ普通の会社員。



ごく普通の一般家庭に澪音姉ちゃんみたいな美人が生まれたのは奇跡に近い。



だから親戚中にも愛される澪音姉ちゃん。



あたし何か澪音姉ちゃんの存在に隠れてるばかり。



しかも頭もいいから将来を期待されてる…。



あたし馬鹿だもん…。



「…き、……崎、…水崎!!」

「はうっ!!??」



いきなり呼ばれた名前。



え…笑われてる…。



「お前ちゃんと授業を聞け!!」



恥かし…。



來羅ちゃん~!!


先生が来た事言ってよ~!!



クラスのみんなの前で恥かしい思い…。



もうやだぁ~…。



何であたしばっかり…。



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