最高の君。

リビングに着くと、普段の通り。



…ではなかった。



物が少し減ってる…。



「あ……」



テーブルの上に置いてある紙。



まさか…!!



あたしは紙を取ると急いで読んだ。




―――――――――――――
美桜ちゃんへ

お母さんとお父さんはアメリカに行きます。
理由はお父さんの急な海外赴任です。
随分前に決まってたけど、美桜ちゃんに言うのを忘れてました。
本当は美桜ちゃんもだったけど、日本を離れるのは辛いだろうと思い、2人で行きます。
澪音ちゃんは1人暮らしをするみたいなので、美桜ちゃんは家で暮らしね。
家賃や生活費はちゃんと振込みます。

では、母より。

PS.男の子がいるはずだから、詳しくはその子に聞いてね。
―――――――――――――



「…………」



……………。



「はぁぁぁあ!!??」



なに!? 急な赴任!?

何故忘れてた!?

てか2人共もう行ったの!?

…しかも男の子って何よ…。



澪音姉ちゃんは1人暮らしで、あたしは見ず知らずの男の子と暮らせと!?



はぁぁぁあ?



有り得ないよ!!



その男の子がカッコいい人ならいいけど…。




「うるせぇな…」

「っ…!?」



後ろから聞こえて来た声。



まさか、まさか…その男の子って人!?



あたしはそっと振り向いた。



「…………」



唖然。



「女の顔じゃねぇ…」



馬鹿にしたように笑う男の子…いや、男…。



「か、カッコいい…」

「は?」



いや本当にっ!!


ヤバいカッコいいんだけど!!



しかも芸能人みたいな顔立ちで、アイドルっぽい…。



あたしのタイプの直球ど真ん中…。




< 4 / 44 >

この作品をシェア

pagetop