明日、高篠先生と一緒に笑って恋が始まる。

・from 龍之介


---from 龍之介---

「アタシ、別れたのよね?」

「俺たち?
別れたじゃないか。
キミが愛想尽かして」

あまりにもどうでもいい話に彼女の顔を見ることもなく答える。


「違うわよっ!
龍之介じゃない、別の人!
アタシはっきりわかったの。
やっぱり龍之介じゃないと…」

女は指で髪を遊ばせながらふっと笑う。

そして腕を伸ばして俺の背中に回す。

マニキュアを塗った長い爪。

きっと毎日、猫のように丁寧に手入れでもしているのだろう。


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