修羅と荊の道を行け
元旦、母親に行って来ると、伝えると

「くれぐれも事故は起こさないでよ。あんな綺麗なお嬢さんの顔に傷つけたら、うちは破産よ」

「わかってる。それから顔のことばっか言うな。咲耶は性格だって可愛いだぞ」

「はいはい。惚気は良いから。本当に気をつけなさいよ。雪道はゆっくり走りなさい。カッコつけようなんてこと考えたらダメよ」

子供に言い聞かせるように、こんこんと同じことを言う母親を振り切って咲耶の家に向かった。

とはいえ、雪道での意見は有り難く聞いておくことにする。

泊まる旅館の所の天気を調べると、雪が積もっているらしい。

雪景色で露天風呂か、最高のシチュエーションじゃねぇか。奮発したから、部屋の中にも露天がついてる。一緒に入るのだって夢じゃない。
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