修羅と荊の道を行け
修羅道10
目を開けると、目の前の浪川くんがいた。

「っ!」

声をあげそうになって慌てて口をおさえた。

何で、浪川くんが私の布団にいるんだろう。

それより私、いつ布団に入っただろうか?

絵を描いてたのに。

もしかして浪川くんが運んでくれたのかな?にしてもどうしてこんなに密着してるんだろ。

あ、ヒゲ生えてる。徹夜明けの男衆みたいになってる。

起きてるとカッコイイけど、寝てると顔が幼い顔してる。

まつげも意外と長いんだ。

「可愛い」

小さく呟いたつもりだったけど突然、後頭部を押さえられて胸板に押付けられた。

「じっと見てんなよ。恥ずかしいじゃねぇか」

「起きてたの?」

「熱い視線を感じて目が覚めた」

「ごめんなさい」

「いや。ちょうど良い。少しだけ寝るつもりだったから」

少しだけ?もしかして

「お仕事終わってない?」

「あぁ。悪い」

「うんん?私は良いけど。もう少し、寝た方が良いんじゃない?」

だって、隈が凄いし。
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