修羅と荊の道を行け
「こちらこそ、咲耶共々よろしくお願いします」

お父さんも同じように挨拶を返してくれた。

「お正月は咲耶がお父さんにしでかしてしまって、申し訳なかった」

4日の夜に実家に咲耶の家から電話がかかってきた。

親父を投げ飛ばしたとうっかり話してしまったらしい。

電話の向こうで咲耶のお父さんがずっと謝っている声が聞こえた。

次の日には、菓子織りを持ってお母さんと謝りにきたとお袋から聞いた。

「咲耶はどういうわけか、勝負事になると加減が出来ない質でね」

私が行き過ぎた躾のせいだ。とお父さんは笑った。

いや、あれはどう見ても、天性のモノですよ。現役警察官を駆け引きでぶんなげるなんて。

「父は咲耶さんをすっかり気に入ってしまったようです。次来るのはいつだって」

親父からのメールが来るようになったのは、咲耶が家に来てからだ。ほぼ毎日のように送られてくる。

咲耶さんは元気か?咲耶さんはいつ遊びに来るんだ?咲耶さんは甘いものは好きか?とか、息子に対してのメールではなく咲耶にたいしての言葉ばかりだ。

相当、気に入っている証拠だ。お袋も咲耶を気に入っているので、浪川家では咲耶と結婚したいって言っても、何の問題もないだろう。


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