修羅と荊の道を行け
お義父さんは眉間のシワを深くして、

「沙汰は、咲耶任せる」

と言って黙ってしまった。

「仰せのままに、さて、判決を言い渡します」

咲耶が決めたのは、真央花ちゃんは高校だけは嘘を突き通しても卒業する。明日、受験をしないことを担任に謝る。それには、咲耶が付き添う。

借金は、明乃さんの所ではなく、実家の呉服店を手伝うこと。そこで、得た収入を借金返済と出産費用に当てる。

通信講座で後に役立つ資格をとること。


結婚は取り合えずは許すが、同居は真央花ちゃんの生活態度などを見て決める。

ある意味、遠山の金さん並みの寛大な処置を行った気がする。厳しいことを言うが、妹は可愛いらしい。

「はい!終わり」

咲耶はポンと手を叩くと、オレの手を取って立ち上がった。

「解散」

部屋に戻ると、咲耶はふーと息を吐いた。

「ごめんね。変なところ見せて」

「いや。オレも何の役にもたてなくて…」

「もう。恥ずかしい、身内の痴態を見せるなんて」

気にするなとは言えなかった。だから、ここが肝心だと思った。

「だったら、オレも咲耶の身内にしてくれ。身内なら恥ずかしくないだろう」

「え!」

咲耶が目を丸くしている。通じなかったか?

段々と咲耶の顔が真っ赤になって、突然耳まで一気に赤くなって狼狽えだした。

「それっててっ!」

「オレは咲耶の身内になりたい。付き合ってから、そんなに経ってないから重いって思うかもしれないけど、オレは咲耶と結婚したいって考えてる。返事は直ぐじゃなくて良い。待つから。」

プロポーズをしてしまった。

付き合ってから、お互いの家族を含めて、色んなことを知った。

オレはもう隠している事なんてない。

相手の不安を取り除くための努力をしようなんて今まで考えなかったことをしていこうと思う相手だった。

「する。結婚するっ!」

処女だ年上だからと、オレのためにあさっての気遣いで遠ざけようとしていた可愛い恋人。

こうもあっさりと頷いてもらえるとは思わなかったが、両手を広げると、咲耶が飛び込んできた。

「うれじぃいい」

泣きながらしゃべる可愛い咲耶。絶対はなさないからな。

「でも、真央花が落ち着くまで、結婚式とか待ってもらって良い?」

と聞かれたので、オレも、

「結婚指輪を買うのに必死で働かなきゃならないから、待つよ」と返した。取り敢えず、 婚約指輪は、買いに行こうと笑った。



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