修羅と荊の道を行け
「良いわけあるか!」

氷樹先生が鬼のごとく怒鳴った。

私は浪川くんと別れた後に、氷樹先生の家に駆け込んだ。

「向こうから告られたのに、何で振っちゃうかな?そんなくだらない理由で」

「くだらないって何よ!こっちは悩みに悩んだんだよ」

「くだらないは言い過ぎました、ごめん。運命の人かもしれないんだよ。男嫌いのさっちゃんが大丈夫って思える相手なんだから。さっちゃんだって好きなんでしょ」

「だからこそ、幸せになって欲しい。私の仕事って不規則だし…」

「そんなの私もそうよ」

氷樹先生は、家で仕事できるし。

「さっちゃんしっかりして!人生は一度きり幸せにならなくちゃ」


「私は充分幸せだよ」

こうして心配して叱ってくれる友達がいて、帰る家もあって、仕事も順風満帆。

これ以上、幸せになったら罰が当たる。
< 52 / 432 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop