修羅と荊の道を行け
だから今日も咲耶にメールを送った。

「ごめんね。仕事がおわりそうにないの」

返って来たメールにため息がでた。

その後、一人でいつもの店に向かった。

「酷い顔だねぇ」

女将に開口一番そう言われて熱いおしぼりを渡された。

「客に言う言葉かよ」

「本当に酷い顔だからね。何かあったかい?その年上のお嬢さんと」

「何もない…」

「そう」

日本酒をコップに注いでくれる。


「私の話しを少し聞いてもらえますか?」

「ん?」

「私の姪っ子の話しはしたわね。28の」

「あぁ」

「その子が最近、好きな男がいるらしくてね」

「良かったじゃねぇか」

「けど告白できないらしくてね」

「不倫かなにかか?」

「うんん、そんな度胸のある娘じゃないわ。年下でねぇ、8コ離れている」

「へぇ」
「最近、その男に告白されたらしくて、どういう訳か断ったらしいのよ」

「何で?惚れてるんだろ」
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