オタカノっ!
「今日の辻山は、一段と面白かったねー!!」
「そうか?」
帰り道。
俺らを溶かす勢いで太陽が猛威を振るう。
午後なんだから、もう少し涼しくなってくれても良いじゃないかー…。
咲樹と付き合ってもう二ヶ月。
でもなんだか、昔から一緒にいるような錯覚を覚える。
ソレくらい、咲樹と一緒にいるのは落ち着く。
時が経つのって、遅いなあー。
そろそろ、手つないで良いかな。
俺は、なんか決心して、咲樹のほうを向いた。
「咲樹、」
「?、なあに?」
「ん。」
「え?…あ//////」
何も言わず、左手を突き出す。
…手は、きっと汗ばんでない。
そして、咲樹は俺の手を戸惑いがちに握った。
その手を、俺はしっかりと握る。
「な、なんだよこれっ…!!
なんかめちゃくちゃ純粋な少女漫画見たいじゃまいか!!」
「ははっ」
「な、何笑って…!!」
「いや、かわいいなっておもって」
「…、辻山って、ツンデレだし、なんか奥手だし…
勝てる気がしない…
なんか、ムカツク。」
「そうか?」
そして、他愛ない会話をしてれば、咲樹の家の前に着いた。
「じゃあ、また明日」
「うん…」
「咲樹」
「?…!!!!」
「オヤスミ」
去り際に、額にキスをする。
ちょっと、キザだったかな。
「…バーカ…」
.