君は愛されているんだよ
愛果が声をかけても,全く反応しない秀樹。医者の話によれば『意識不明』だという。もう秀樹は学校に戻れないの?そんな事だけにはなって欲しくないと思った愛果に,祐里はとある提案をした。

「愛果ちゃん,秀樹君の意識が戻る様,一緒に祈ろうやぁ!!!!!!!!」

祐里の強い声に圧倒され,愛果は祐里と一緒に,秀樹に意識が戻る様祈る事にした。意識が戻るなんて難しい話とは思っていた愛果だけど,祐里が「祈ろう」って言ってくれたから,一緒に祈ろうっと。

「秀樹君が大変な状況にあります。自殺未遂をやってしまった秀樹君を助けて下さい,そして,彼がやってしまった行為を赦して下さい,神様」―――。

二人で力を合わせて祈った。
でも,中々秀樹の意識は回復しない。

「やっぱしアカンかったかぁ......。」―――。

愛果に祈ろうと言った祐里が落ち込んでいた其の時だった。

意識不明になったはずの秀樹が目を覚ましたの。「此処は一体どこなの?」,秀樹は二人に問いかける。「俺,自殺したんじゃなかったっけぇ?」,両親から相手にされない事を理由に自殺した筈なのに,意識が戻った事が理解出来ない秀樹―――。

「秀樹君,生き返ってほんまに嬉しいわぁ。」
祐里の頬を大粒の涙がつたった。愛果も,秀樹が意識を取り戻した事が,嬉しくて嬉しくてならない。

それでも,秀樹は,自殺しようとしても出来なかったのが,どうも納得行かないみたいだ。
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