どこかで誰かが…
「居たよ〜…と、思ったけど…」

「はは〜ん。居たんだ?チヤホヤされてたもんねえ〜」

「人の畑で、すみません…」

「別にいーけど。あたしが誘ったんだし。」

「楽しかったです。ありがとうございました。」

「…やっぱり、嬉しかったんだ?」

「はい。久しぶりの刺激だったもので…色んな意味で…って、もういいわ!」

「あははは。」

「でもホント楽しかったなぁ。」

「私も。」

「ん?」

「秋山君のこと、人に聞いてもらってスッキリした。…友達には、私が嫉妬したと思われてるかもしれないけど…そんなの、どーでも良くなったよ。」

「なんだ〜!それなら早く話してくれれば良かったのに〜!」

「うん。でも今度、その友達にも話し掛けてみる!」

「…そっか。がんばれ。」

「うん。」



こうして佳菜子は久しぶりに、未央里の携帯に電話をかけた。


削除さえされてなければ、未央里の携帯電話の画面に、佳菜子の名前が表示されるわけで…

なかなか出ないところをみると、無視されていると実感するしかなかった。


それから1時間ほど経った頃、

ブー、ブー、ブー、ブー…

マナーモードの解除を忘れていた佳菜子の携帯が、着信を知らせ、

未央里の名前が表示されているのをみると、慌てて

「も、もしもし!」

耳に当てる前から、声をかけている佳菜子だった。

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