どこかで誰かが…
そこへ、ゆっこのクラスメイトが通り…

「あれ?まだ居たの?」

「うん。今日、練習は無かったんだけど、ミーティングがあったから」

「で、終わり?なら帰ろうよ!」

「うん。…佳菜子は?」

「あ、あたし、ちょっとまだ…」

「そ?あたしは帰るけどぉ。」

「うん。あ、ありがとね!」

「え?」

「参考になった!」

「おおげさ!じゃね!」

「バイバイ。」


佳菜子を教室に残し、帰って行くゆっこ。

すると、

「あの子と何の話しするの?」

「色々と。」

「なんか、暗そーだよね?」

そんな会話が繰り広げられたものだ。

そして、

「そんなことないよ。サバサバしてて面白いんだよ。ま、真面目だけどね。」

「へー、そーなんだ。」

「あんまり自分のことを人に話さないかなぁ…」

「わかるー!そんな感じする!」

「て言うか、あたし達が勝手に、佳菜子に“恋ばな”してもしょうがないって、決めつけてるからってのもあるけど。」

「だって、それは優しさでしょ?経験なかったら悪いもんね。」

「でも、好きな人くらいは居ると思うけどね…」


そんな風に気を遣われていたとは知らなかったが、
それまでとは違う空気になるであるだろうことを感じた佳菜子は、

教室の窓からサッカー部の練習を見て、時間を潰すのだった。

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