どこかで誰かが…
もちろん片桐には、何の事だか分からなかった。


『なんだ?どうした?』

時差を考慮した清瀬に、片桐の返信は早く、

『俺なりのハナムケの言葉だよ。』

しばらくメールのやりとりが続くことに…


『そうなんだよ。佳菜が急に来るって言うからビックリしたんだけど、気分は上々(^^)vって感じだ!』

『そりゃ良かった。』

『そろそろ、こっちに来た真相を探ってみようと思って。』

そんな片桐の返信に

『真相って何だよ!堀口もやっと決心がついたってことだろ!変に勘ぐって機嫌損ねても知らねーぞ。』

少しだけ焦る清瀬は

『やっぱり何かあった?嘘がどーのこーのって何?』

やはり感の鋭い片桐に、これで最後となるかもしれない忠告を始めるのだった。


『堀口は気が強くて意地っ張りだから。』

『知ってるつもりだけど、それが?』

『俺の友達で堀口の元カレだった奴は何故かモテて…どんだけ疑われても全く動揺せず、絶対浮気を認めなかった。堀口がソレを信じたお陰で二人はウマく続いたんだけど、つい最近、堀口が全部お見通しだったことが判明して、もう時効だと笑い話になったんだ。…堀口はそーゆー女だから。』

すると、さっきまでのテンポとは少し遅れて

『サンキュー!でも俺、嘘のつきようが無いから!』

清瀬を安心させる返事が返ってきた。


『なら良かった。』


こうして清瀬は、
“自分の役目は終わったんだ”と悟るのだった。

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