紅龍 ―2―
蘭side
「なんであいつ等に会った。」
2人だけになった理事長室で兄貴の低い声が響いた。
「気付かれたみたいだぞ。」
兄貴は眉間に皺を寄せながら言葉を続ける。
…―ねぇ、兄貴?兄貴はもう気付いてるでしょ?
なんで私がさっきから口を開かないのか。
私、どうやらもう黒桜会に完璧に染まっちゃったみたいなんだ。
今日、龍たちに会って。
「…―もうすぐ仕事だろ。送る。こい。」
口を開かない私に呆れるように兄貴は車の鍵を持って理事長室から出ていった。
本当に―…ごめんね。
私は兄貴に心の中で謝ってその背中を追った。