憂いの塔
「甘いの好きか?」
紅道は突然言い出した。
それも、紗江子に向かってだ。
「は、はい。」
動揺しつつも、紗江子は答えた。
「じゃあやるよ」
紅道は懐から袋を取り出すと、
カウンターの上に置いた。
金平糖が袋越しに見える。
「あ、ありがとうございます!」
大好物の金平糖を貰った紗江子は興奮のあまり声を張り上げた。
横で淳子はすいませんと苦笑いしながら頭を下げている。
紅道はフッと小さく微笑むと、活気強い人混みへと消えていったのだった――――。
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