素直の方が好きですか?
Ⅷ:真実がいつもいいわけじゃない

こんな形で―乙音



智葉との電話を切った後私は歩き出した。

少し先にバスが来てるのが見えた。

まぁそんな急ぐほどでもないし……。

そう思って私は次のバスを待つことにした。
バスの本数は多いから結構早く来た。

そして病院の前のバス停で降りた。

おばさん、元気かな?
っていうか智葉はおばさんにサボったって言ったのかな?
いや、言うわけないか―…。

じゃあこっちも誤魔化さないとなぁ……。

「あれ……乙音?」

私は正直、びっくりした。
だってこんなところで
私の大好きな声が聞こえたんだもん。

「とも……?」

「…………何で?」

「智葉のお母さんのお見舞いに」

「そっか」

「うん……」

ともは?
そう聞こうと息を吸った……。
その時だった。

「ともちゃんっ」

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