素直の方が好きですか?
ⅩⅢ:素直の方が好きですか?

タイムリミット



智葉、会いたい。
早く、来いよ。





そして、早、二年。
卒業の年だ。

年賀状も何もない。
だけど俺は、自信があった。
なんの根拠もない自信に、確信があったんだ。

『想、そろそろね』

電話の向こうの母の声が心なしか弾んでいる。

「嬉しそうだな」

『うふふっ、だって想が帰ってくるでしょう?』

なんだよ、ソレ……。

「まるで、あの子が来ない前提だな」

『あら?そうかしら?』

俺だってもう、あと少しで社会人だ。
そこまで心配とかしなくていいだろ。

「そうだよ。俺、忙しいから切るな。じゃあ。」

イライラした。
確かに自信はある。
だけど、少しの疑いが、大きいんだ。


「智葉は絶対来る」

完全に俺とともと如月の集会所になっている我が家。

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