それでも好きだった









四人で帰ったあの日以来、私の気持ちなんて知らないで、紗月は四人で遊ぼうだとかよく言ってくる。


正直言って辛い。



幸せそうな二人を見ていると、すごく複雑になる。



親友の付き合いを応援したい反面、好きな人だから余計辛くなる。




何度も決心をしてきた。


だけど、どうしても揺らいでしまう自分がいて、うまくセーブが出来ないときもある。



言ってしまえば楽なのに、弱い自分に勝てない。


だから紗月の誘いも断ることが出来ない。


無力な私。







「遊園地、楽しみだね!」



嬉しそうに言った紗月。




「そうだね」






どうやったら、彼を諦めることができるのだろう。



ここ最近、そんなことばかり考えてしまう。












誰か教えて欲しい。



諦めるきっかけを…。



嫌いになるきっかけを…。












< 78 / 214 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop