愛しいキミへ



「椎凪。」



椎凪の方へ、一歩近づく。

すると椎凪は、俯きながら一歩下がった。



「何で、そんなに避けるんだよ。」


「避けてなんか……」


「避けてんじゃねえかよっっ!」



思わず怒鳴ってしまった。

何やってんだ、、

逆効果じゃん。


余計、怖がられちゃってるし……



「ごめん。」


「な、何で、隼人が謝るの……?」


「ビクビクしすぎだから。」


「してないよ……」



何を言ってもこの調子。

俺は何がしたいんだって感じだよな……



「は、隼人……」


「ん?」


「用が無いなら、行っていい?」



そんなに俺といるのが、辛いのか?


まじ、傷つく。


用が無いわけないし…。



「俺と二人が、そんなに苦痛か……」


「そ、そんなこと……言ってないじゃん。」


「だったら、何で逃げようとするんだよっ!」



また、怒鳴ってしまった。

俺は馬鹿か、、、

全く学習能力がないっていうか。



「……………じゃん。」


「え?今、何て……」


「そんなの決まってんじゃん!!」


「決まってるって、何が…」


「どうして隼人と二人っきりになりたくないか。」



――ドキッ



二人っきりになりたくない。

遂に言われた。

いや、
気づいてたことを、再確認させられただけだ。


どちらにせよ。

言われた事実は変わらない。











< 111 / 114 >

この作品をシェア

pagetop