愛しいキミへ



「椎。」


「何?」


「俺の事、好きだった?」



何よ、それ…
どうしてそんな事聞くの?


嫌いだって言おう。

そうすれば、終わる。

何でだろう。言い出せない。
嫌いだって言えば、終わるのに…
好きじゃなかったって、
そう言えば…

でも、言えなかった。


ねえ、
何でそんな事言うの?
そんな…残酷な事…



「椎!?何で泣いてんの??」


「え?」



いつの間にか、泣いてたんだ。
全然気付かなかった。



「俺のせい??」



私を覗き込んで、言った。
凄く心配そうにして…



「そうだよ…。そんな残酷な事言うから…。どうして好きだった?なんて言うの??」


「椎の本当の気持ちを受け止めるから。嫌いだったなら、正直に言って??」


「馬鹿じゃないの??嫌いだったなんて、言える訳ないじゃん。好きだったから、好きだったから…苦しかったの。浮気されて、裏切られて…悲しかったの。本当に好きだったから。」




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