パパはアイドル♪ ~奈桜クンの憂鬱~
「まぁな。そうかもしんないけど」


「変な事、聞くなよ」


ここのところ食欲がなくてあまり食べていなかった奈桜は、ピラフを一気に平らげた。


「もしかしてまだ七海に気持ちが残ってるのかと思ってさ。違うならいいんだ」


奈桜はフッと小さくため息をついた。


「ないよ。…幸せになって欲しいとは思う。七海は桜を生んでくれて4歳まで育ててくれた。桜の母親であって、それ以上でも以下でもないよ」


「だな。悪い。さっきの三人の姿があまりにも自然だったからさ。上手く行けばいいなってチラッと思った。チラッとな」


碧が笑って言った。


「チラッとだろ?」


奈桜も笑う。


「七海は…」


言いかけた碧の目を奈桜が見る。


「絶対、お前に気持ち残ってる」
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