パパはアイドル♪ ~奈桜クンの憂鬱~
「バカにしてる?」


不愉快そうな顔で奈桜を睨む。
目が大きい分、迫力があって怖い。
奈桜はとりあえず機嫌を直してもらおうと笑ってみせた。


「マジでそう思ったんだよ。人の気持ちが分かってるなって。オレは深く考えないから。ホント」


作り笑いが痛々しい。


「でもさ、七海は分かんないよ。オレが振られたんだし。そんな複雑なヤツじゃないだろ?」


「そう思うか?」


再度聞かれ、奈桜は言葉に詰まった。


「分からない。でも……、そう思いたい」
< 284 / 337 >

この作品をシェア

pagetop