愛のため息
えへへ。嬉しいな。




ミイはいつだってタカちゃんしか見ていないんだから、心配しなくても平気なのにね。




「もうっ!タカちゃん、大好き!!」




『ーー』



「・・・?もしもーし。タカちゃん?聞こえてる?」




電話の向こう側が、無音になったから呼びかけると。




『…バレバレじゃん、かっこ悪…』





電話越しに、聞こえるか聞こえないか。




それくらい小さな声で出たタカちゃんの本音が耳を澄ましてたミイに届いた。





全然、かっこ悪くなんかないよ。




妬いてくれて嬉しかったよ。





『あ~。そういえばミイ、今日稲垣さんからメール届いたよね?ミイにメールしたって帰り際に言ってたんだ』





不自然なほどガラリと話を変えてきたタカちゃんに、ちょっとだけ噴き出した。




ヤキモチ妬いたってバレてるのごまかそうとしてるんだ。




あは。タカちゃん、可愛い。



なんて言ったら拗ねそうだから心の中だけで思っておこうっと。




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